翡翠の歌

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モイカ宮殿 : 大階段 (2階) [パピエ・マシュ]




大階段ホール2階の両サイドは大きなガラス窓で、ホールの窓からの外光を、奥まで取り込む設計となっています。


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周囲の壁を飾る彫刻や浮彫は重厚に見えますが、石ではなく、木や木くずを固めたもの(注)を彫って、白く塗ったり、金箔を貼ったりしたものです。距離があるところは、陰影をつけて描いて立体感を出した絵です。


沼地が土台なので、地盤沈下を防ぐと共に、できるだけ柱の少ない広い部屋を造るには、可能な限り重量を減らす対策が必要だったからのです。でも貴族としては、壁や天井を埋め尽くす“大理石の彫刻”で豪華に見せる演出も欠かせない・・・意地悪く言えば、はりぼて。


勿論、この“技法”はモイカ宮殿だけでなく、そしてロシアだけでもないでしょうけれど、「公爵家も大変ね」とガイドさんの説明を聞きながら思ったものです。


(注)19世紀にはパピエ・マシュと呼ばれる、紙のような繊維物質に糊や石膏、片栗粉などを混ぜたものを使うようになりました。