これは随分と前の画像で、ソ連崩壊後まもなくの撮影と思われます。画像中央の少し右、冬宮(現・エルミタージュ美術館)の屋根に突き出ている金のドーム(キューポラ)が宮殿内の聖堂の位置です。
渡り切るのも一苦労な、石畳の広〜い広場。帝政時代、ここで閲兵式や記念行事が行われ、血の日曜日の事件現場にもなりました。
ソ連時代は、このような車の進入も、屋台や観光客グループもいなかったです。出入口は裏側のネヴァ川沿いにありましたし。
メーデーなど共産党のイベントの時には向かって右の建物に、巨大なレーニン像やスローガンの幕が取り付けられ、威風堂々たる共産国家を世界に喧伝していました。
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しかし、今(注1)はその場所に商業的な内容が掲げられ、出入口が広場側となったため(この画像では、アレクサンドル記念柱(注2)の左奥に映っています)、無数の観光バスが止め放題、世界各地からの観光客グループがうじゃうじゃ、アメリカの象徴コカ・コーラやお菓子を売る屋台だらけ。帝政貴族に扮した男女が記念写真を一緒に撮ろうと売り込んできます。
冬なら少しはましと思います…そうであってほしい!
窓ファンは冬に行くべし!
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(注1)2022年2月のウクライナへの侵攻前。
(注2)アレクサンドル記念柱・・・対ナポレオン戦争勝利を記念して建てられた花崗岩から切り出された石柱で、自重だけで台座に立っていますので、市民の中には周辺を避けて歩く人もいるそうです。