画像は、旧参謀本部と旧外務省の間の凱旋門の上に置かれた、戦車に乗った勝利の女神"ニケ像"です。
現在ではこの建物はエルミタージュ美術館の別館となっています。
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北欧に睨みをきかし、西欧への扉として、ピョートル大帝がネヴァ川の三角州を埋め立てて造った都サンクト・ペテルブルクは、大帝の守護神聖ペテロから名づけられました。
聖ペテロ(プロテスタントでは聖をつけないらしいです)は“主より天の国の鍵”を授かった人物で、絵画でも、門の前で大きな"鍵"を持つ姿で描かれています。
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オル窓と言えば"鍵"。原作内でも数回、いかにもな"鍵"が描かれていますが、実際のところはどうだったのでしょうか? その筋のプロに依頼すれば、偽造も容易そうな形ですし、それどころか、銀行に潜り込んで、針金でもちょちょいと開けられそうな単純形。
それとも"鍵"はあくまでシンボル、儀式であって、ほんとうは人物認証が行われたのでしょうか? 事前に登録された人物や合言葉でしか受け付けないとか? そうだとしたら、アネロッテねえさまの長年の努力も、ユリウスの協力なくしては無に帰したわけで。だからこそ、お茶でご機嫌をとったのでしょうか?