"大玉座の間"であり、"聖ゲオルギーの間"とも呼ばれます。
1837年の火事での焼失後、再建した際、壁や柱の大理石をそれまでの多色から白色に変更し、現在の姿となりました。二段の窓からの光がつやつやの白い石と金箔に反射し、豪華でありながら上品で晴れやかな空間は、公式レセプションに使われました。
画像には写っていませんが、天蓋の上の壁には、聖ゲオルギーの大理石のレリーフがあります。ゲオルクス・ターラーでおなじみのドラゴン退治の図柄です。
天井の金箔された模様の真下の床は、16種類の木を使った寄せ木細工で同じ模様が施されています。上と下とを見比べているとくらくらしてくるほど素晴らしいです。
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さて、“彼女”が尋問されたところはここではありません。原作中の玉座の背景の絵画『ピョートルとミネルヴァ』などから、それが"小玉座の間"、別名"ピョートル大帝の間"であることがわかります。
ピョートル大帝に捧げるメモリアルホールとして作られましたので、ロシアの偉大さと名誉を表す美術品や記念物などで装飾されています。ニコライ二世が座っていたのもその一つである『アンナ・ヨアノヴナ女帝の玉座』です。