翡翠の歌

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モイカ宮殿 : 緑の間 (ショーテーブル) [カレリアン・バーチ]




カレリアン・バーチ製。カレリア地方のブナ材です。


帝政時代、美しい木目の家具も富貴の象徴の一つでしたので、アレクサンドルT世は家具セットをナポレオンに贈り、モイカ宮殿でも来客を待たせる部屋に敢えて置いていました。しかも画像のショーケーステーブルの中には珍品名品を陳列し、更に"お宝自慢"をしていました。貴族も大変ですね。


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カレリアン・バーチ(карельской березы カレリア地方の白樺)は、カーリー・バーチ(縮れ模様のブナ材)やマスール・バーチとも言われ、北ヨーロッパ(スカンジナビア地方やカレリア地方)の名産です。それも、単に地元品種の"ブナ"が珍しいのではなく、病的な何かにより幹全体にコブが発生し、それが美しくて珍重される縮れ模様を生み出しているそうです。


残念ながら使われた工芸品を日本ではほとんど見かけませんが、ナイフ専門コーナーでフィンランドやノルウェー製の柄に使われているのが見られるそうです。


私はロシア旅行前に名産であると調べていて、高価でもないので、ぜひ沢山入手しようと、キジ島の土産店でひとまず下の小箱を購入し、あとはモスクワやサンクト・ペテルブルクのホテルや空港などでゆっくり選んで買おうと思っていたのですが、結論から言えばどこにもありませんでした。日本の感覚ですと、少しはありそうなのですが、残念でした。見かけた時に買う、ですね。










主な参考資料
『木のメモ帳』 木の雑記帳 / 廣野郁夫