モイカ宮殿の劇場について、フェリックス・ユスポフ著 『失われた輝き』からの引用です。
・・・芸術品で埋め尽くされた本物の美術館であり、何度訪れてもその美しさに飽きることはない。客間、舞踏室、ギャラリーの一部だけが18世紀の面影を残していた。絵画ギャラリーはルイ15世の小さな劇場につながっていた。その隣のホワイエでは、公演の後に夕食が供された。時には、2,000人もの招待客を招いて盛大なレセプションが開かれることもあった。そのような時は、ギャラリーの中で夕食が供され、ホワイエは皇族専用の場所となった・・・
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ギャラリーの奥、ホワイエから劇場へ降りる階段の入口には、上部にドラゴンの浮彫が飾られています。
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ロシアは、ヨーロッパ? アジア?
国境線はアジア部分が多く占めますし、長年、交流・交易・諍いがあるので、思わぬところでアジアとの共通点を見つけることもあります。
例えば、都会に暮らすロシア人でも、意外と干支が身近です。新年を迎える時期に干支のカードも売られており、生年を干支で言える人もいます。日本人と異なり、血液型には無関心ですが、干支占い的なものはあります。
ヨーロッパのドラゴンと、アジアの竜が同居しているわけです。
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ロシア語での干支を紹介しましょう。該当する動物の単語ですね。
十二支 двeнадцать знаков зoдиака
子 крыса
丑 бык
寅 тигр
卯 заяц
辰 дракон
巳 змeя
午 лoшадь
未 oвeн
申 oбeзьяна
酉 курица
戌 пёс
亥 свинья
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ちゃんと「ひのえうま」や「かのえ」なども意識されています(熟語はとても長くなります)。
例) ひのえうま
лoшадь трeтьeго цикличeского знака
概意:3回周期のウマ
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日本でも、「来年は○○年だね」、「△回目の年女で…」、「○○年生まれだから、□□な性格だ」と、特に年末や出生時に話題にしますが、年賀状の(郵便局の)風習も先細りなので、今後は、干支も「それ、何?」という人が増えるかもしれませんね。