第2部11話の孔雀石のマントルピースのある"緑の間"に置いてあるソファですが、元々そこにあったものかは不明です。
この"緑の間"は、壁も天井も絨毯も翡翠色の濃淡。マントルピースや花瓶も、金彩模様の孔雀石。このソファや椅子などの家具もくすんだ緑色の、落ち着いた空間です。もちろん、当時はもっと鮮やかな色だったと思います。
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以下、モイカ宮殿の最後の改装について、《THE YUSUPOV PALACE》(原文は英語)からの引用です。
・・・1913年、フェリックス・ユスポフとイリーナ・アレクサンドロヴナ公女の婚約が公表された。イリーナは、皇帝ニコライ2世の姪であり、皇帝アレクサンドル3世とその配偶者マリア・フェドロヴナの孫娘である。これをきっかけに、改装されたばかりの部屋の再改装計画が始まった。
結婚式直前の1914年1月、最高位の"帝国令"が発布され、フェリックスに、父の存命中でもユスポフ公子の称号を名乗る権利が特例として与えられた。結婚式は1914年2月9日、新婦の祖母である皇太后マリア・フェドロヴナの居城であるアニチコフ宮殿の礼拝堂で、皇帝と皇后の立会いのもとに執り行われた。すぐに、新婚夫婦はハネムーンで国外へ旅立ち、その間、モイカ宮殿では、彼らの居住エリアの改装が本格化していた・・・