多くの建物の裏側は、画像のような感じで、のっぺりして、愛想もないです。ポチョムキン村のよう。
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以下、アエロフロート機内誌(2015年秋号)掲載の、《華麗なるダイナスティ ユスポフ家》からの引用記事です。
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・・・奔放な恋をしたジナイダ・イヴァーノヴナの息子は、蒐集家として知られユスポフ家の最後の直系男子となったニコライ・ボリソヴィチ・ジュニア(1827〜1891)
その娘はジナイダ・ニコラエヴナ("彼"のママです)。ロシア貴族社会で最も裕福な女性相続人と言われ、社交界の花形であった。病院や、廃兵院、孤児院、教会などへ多額な寄付をする慈善家でもあり、日露戦争では、看護列車の列車長なども務めた。
夫フェリックス・エリストンとの馴れ初めは、ジナイダが、ブルガリアの皇族とのお見合いに向かった際の護衛の将校だったこと。1882年に結婚を"強行"したふたりには、翌年に長男ニコライ、1887年に次男フェリックス("彼"!)が誕生した・・・
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日本と異なり、欧米の名前は同じ人が多いですよね。"ジュニア"や"大〜"などが付いているのを見かけますが、ロシアでは、名前に父称を加えることで区別しています。父称はお父さんの名前で、"○○ヴィチ"(○○の息子)、"○○ヴナ"(○○の娘)となります。
ユスポフ家関連でも、ボリス・グリゴリエヴィチとボリス・ニコラエヴィチ、ジナイダ・イヴァーノヴナとジナイダ・ニコラエヴナなど大勢います。
ですが、その父称も、やっぱり種類が限られるので、近い世代でふたりいる"ニコライ・ボリソヴィチ"には、それぞれ"老公"と"ジュニア"などを加えて、家族間や歴史書の中で区別しています。
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