エカテリーナ二世に寵愛された、タチアナ・ヴァシリエヴナ・エンゲルハルト(1769−1841)は、軍人で政治家のГ.А.ポチョムキンの姪であり、前夫の死後、同様に女帝に寵愛されていた能臣ニコライ・ボリソヴィチ・ユスポフと再婚しました。資産家同士の婚姻で、ユスポフ家はますます超資産家になりました。
夫婦仲は微妙で、ずっと別居していましたが、タチアナは芸術に対する鋭敏な感性に恵まれ、長年文学サロンを主宰しました。
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彼女は、東京・八王子にある、東京富士美術館が所蔵する『ユスーポフ公爵夫人』の肖像画のモデルです。作者は、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン、あの"ルブラン夫人"です。
フランス革命後、故国を離れ、肖像画家として、イタリア、オーストリア、さらにロシアの上流階級に歓迎されました。その際、描かれた一枚です。ぜひ訪れて鑑賞してください。
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以下、アエロフロート機内誌(2015年秋号)掲載の、《華麗なるダイナスティ ユスポフ家》からの引用記事です。
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・・・ボリスとニコライ(←上記のニコライ・ボリソヴィチ)親子は高級官僚であると同時に、実業家としてユスポフ家を更に大きくした。事業の代表例:国営更紗工場(軍服の布地)の永久所有権!、シルク工場、製紙工場、時計工場、砂糖工場、ウクライナ・ドンバス地方の炭田、高利貸業・・・
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でくのぼうさんにはムリそう。あの紅茶執事さんが仕切っていたのでしょうか?
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