翡翠の歌

ビストロ




быстро

ビーストろ ⇒ ビストロ





≪ロシア語 : 速く、急いで、手早く≫
★ 現代の大都市ではどうかわかりませんが、ロシア家庭では急な来客であっても、ザクースカ(前菜、つまみ)がすぐに供されます。日本のお店のお通しのようですが、量や種類は比較にならないほど多くテーブルを埋め尽くします。メニューはその時作るものではなく、キノコや野菜の漬物や漬け魚、くん製肉、にこごり、乳製品など常備菜や保存食が中心です。勿論貴族や富豪ではキャビアやイクラなども登場します。日本人ならこれだけでもうお腹いっぱいになるくらいの量です。


★ そのような“手早く出されるサービスの形”がフランスに伝わって、"店舗の形態を表す"用語になったと言われます(伝わり方には諸説あり)。フランス語では“居酒屋”を表し、テーブル同士が接近した家庭的で賑やかな店を指すようです。


★ 因みに、フランスではそれまで全ての料理をテーブルに一度に出していたのを、一皿一皿出していくロシア式を取り入れ、現在のコース料理形式となったそうです。ロシアは寒いので最初に並べていては冷めてしまいますからね。


★ このように、帝政ロシア時代の上流階級ではフランス式を真似るのがはやり、フランスから料理人等を招いて雇ったことから、同時にロシア式もフランスに影響を与えたようです。




≪日本語 : フレンチやイタリアンレストランの店名に入っている≫
★ 近年、日本にも伝わり、よく耳にする一般的な言葉になっていますが、結構値の張るフレンチレストランも“○○ビストロ”とか“ビストロ△△”とかと名付けていて、フランスとはまた異なった定義のようです。