メイン食材であれ材料の一つであれ、手元に山のようにあるレシピ本から見つけたのは、"かぶと鴨の脂身のサラダ"と"野菜とマカロニのスープ"の二つだけ。前者は生のまま細長くスライスした黄色や白色の"かぶ"に鴨の脂身をトッピングしたサラダで、後者は恐らくは入手しやすい日本の白い"かぶ"を代用し、賽の目切りにして煮込んでいます。
←『ロシア料理』 Lidia Liakhoskaya著 2000年発行
←"かぶと鴨の脂身のサラダ"
←『ロシアのスープ』 荻野恭子著 WAVE出版 2016年発行
←"野菜とマカロニのスープ"
ないわけではない・・・でも、ビーツや、きのこ、ジャガイモ、キャベツ、ニンジンなどメインにも一材料としても頻繁に登場する野菜に比べて、あまりの少なさ。日本にあるロシア料理レストランのメニューでも見た記憶がありません。
絵本を読んでいた子どもの頃、「ロシアではどこの畑でも"かぶ"が作られている。そのひとつがすごく大きくなったので、みんなで引っ張って、やっと抜けて大喜び。きっとロシアでは"かぶ"がよく食べられていて、みんな大好きなんだろうなあ、おいしいんだろうなあ」と思っていたのに、です。もちろん私がイメージしていたのはおなじみの日本の白い"かぶ"です。
なのに中年になってからある時、気が付いたのです、私はロシアの"かぶ料理"を知らないことに。