翡翠の歌

★第1部 表紙 画像の説明


モイカ宮殿 : 大階段 [モイカの語源]




ご存じの通り、ここはユスポフ公爵(原作では侯爵)のお屋敷の、ひ と つ(!) ヒロインが落ちて登場の階段(たぶん)。帰宅と鉢合わせしていなかったら、打ちどころ悪くて即終了だったかも。玄関の正面にあるこの大階段は、使用人は使えなかったそうですよ。現在(注)は観光客でいっぱいです。


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このお屋敷は、ネヴァ川に繋がるモイカ運河沿いにあることから、通称“モイカ宮殿”。ロシア語の“モイカ”は、“流し(台)”とか“洗浄機”といった意味で、原住民言語では“泥水”だとか。う〜ん、あんまりロマンチックではない・・・。でも響きが好きなので拙作の中ではこれでいきます。


それにしても、“ネヴァ”もフィン語の“泥”の意味という説が有力だとか、このあたりが一面、泥の海だったことがよく分かります。そこにあれだけの石の都を打ち立てたのですから、素晴らしい都市計画と執念です。そして、多くの貧民の命の上に建っているとも言えましょう。


(注)2022年2月のウクライナへの侵攻以前の情報